「俺は、桜にとっての正義の味方になるって決めたから」 少年は、真実からもう目を逸らさない。 少女を救うために。自分の選んだ正義を貫くために。 魔術師〈マスター〉と英霊〈サーヴァント〉が 萬能の願望機「聖杯」をめぐり戦う――「聖杯戦爭」。 その戦いは歪んでいた。 ひとりの少女――間桐 桜は犯した罪と共に、昏い闇に溺れてしまった。 桜を守ると誓った少年・衛宮士郎は遠阪 凜と共闘し、 「聖杯戦爭」を終わらせるため、過酷な戦いに身を投じる。 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは闘爭の真実を知る者として、 その運命と向き合い、間桐臓硯は桜を利用して己が悲願を葉えようとする。 「だから──歯をくいしばれ、桜」 激しい風に抗い、運命に挑む少年の願いは、少女に屆くのか。 終局を迎える「聖杯戦爭」──。 最後の戦いが、遂に幕を上げる。