神の力を以ってして、 神そのものを討ち斃さんとした原初のヒトガタ、アダム・ヴァイスハウプトは、 サンジェルマンたちの理想の源パワーソースである ラピス・フィロソフィカスにて黃金錬成されたシンフォギアによって撃槍される。 暗躍してきたパヴァリア光明結社はここに瓦解し、 その殘黨は、各國機関の活躍によって追い詰められていくのであった。 そして―― 追い詰められているのはパヴァリア光明結社だけではない。 かつての超大國アメリカもまた、 日本に向けた反応兵器の発射事実を非難・追及され、國際社會からの孤立を招いていた。 閉塞した狀況は、新たな世界規模闘爭の火種にもなりかねないため、 速やかなる政治的解決が望まれているが、 複雑に絡む國家間の思惑は軋みをあげるばかりで、遅々として進んでいない。 當該國である日本も、 アメリカとの協調政策を打ち出して関係修復をアピールしているものの、 どこかうすら寒い表面的なムードに終始して、局面打開には至っていない。 いまだ見えない世界の行く末。 さらに、張りつめた空気はここにも。 都內ランドマーク各所が一望できる、 デートスポットとしても人気の大観覧車のゴンドラに乗っているのは、 私立リディアン音楽院に通う高校生、立花 響と小日向 未來。 ふたりが手にした鯛焼きは白玉入りであり、絶品。 甘すぎず、まるでぜんざいもかくやという口當たりの餡は申し分が無かった。 それでも、ふたりの間に緊張が走るのは、 何の気なしに未來が響に発した、問い掛けに始まるものであった。 返答に窮した響の胸の奧にあるものは、果たして。 過去から現在に向けて紡がれたいくつもの物語は、XVに集束していく。 聖骸を巡る攻防は、どこまでも真夏の只中。 はじける湖面を舞台に、少女たちの歌聲が輝きを放つ。